船底塗料はただ塗料を塗ればよいわけではありません。
正しい塗料選び、正しい塗り方をすることで、船速・燃費・耐久性が変わってきます。

誤った塗り方を放っておけば、あなたの船の船底は大変なことになってしまいます。


船底塗料の種類

各社から色々な船底塗料が出ていますが、基本的には「水に溶けるタイプ」が主流です。
「水に溶けるタイプ」の種類には大きくわけて2つの種類があります。


・自己研磨型(水和分解型)
水流で防汚剤が少しずつ溶け出し船底の汚れを防止するタイプ


メリット
加水分解型の塗料に比べて価格が安い物が多い

デメリット
汚れが落ちる過程で塗膜が均一に剥がれていかないため、表面が凸凹になりやすい
表面が凸凹になると船速・燃費・耐久性が悪くなります。

塗料

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水和分解により係留している時も、防汚剤が少しずつ溶け出し船底の汚れを防止してくれます。稼働率が少なく、係留期間が長い場合は静置防汚性の優れた性能を発揮します。




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パワープロテクター ブルーラベル


係留時間が長く、出航回数の少ない(出航回数が月に3回以下の艇)プレジャーボート、ヨット艇に最適な船底塗料です。





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パワープロテクター 高稼働艇用

係留時間が短く、高稼働の艇に最適







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ミクロンエキストラEU 

高性能を誇る製品で、銅を主原料とする船底塗料の中では、最も画期的な製品です。
特殊設計された抑制型溶解コポリマーの作用により塗膜は常に新しい表面が露出します。
シーズンを通してきれいな船底が保たれ、メンテナンスも簡単で、塗り替え時は清水洗いだけで充分です

 


・加水分解型



海水による化学反応で、係留中でも樹脂が少しずつ溶け出すタイプ

メリット
塗料が分子レベルで分解されるため、表面が凸凹になりにくい
デメリット
自己研磨型の塗料に比べて価格が高い物が多い


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シージェット037

従来の亜酸化銅フリータイプの方防汚塗料に比べ、防汚性能が大幅にアップしました。
亜酸化銅を使用していないので、アルミ艇への塗装が可能な船艇塗料です。
没水後も美しい色を維持します。




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 パワープロテクター オレンジラベル


色鮮やかなだけでなく防汚性能が格段にアップ!
FRP船、アルミ船に塗装できます。      






QW6NIPY16025_01s パワープロテクターブラックラベル

 優れた作業性と防腐性
錫フリー加水分解型・船底防汚塗料(海水でイオン交換し均一な溶解性)
・優れた作業性(厚塗り・速乾性)
・旧塗膜との優れた付着性        






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うなぎ塗料1番

漁船用に開発された高稼動艇向け船底塗料です。
セルフポリッシング(加水分解)の作用により不良塗膜が蓄積されず船体の平滑性を維持します。
つねに活性面が海水中に露出し、安定した防汚性を維持します。 








wako_eco_plus_01 ワコーエコプラス

特殊セラミックスを用い、マイナスイオン効果と塗料に含まれる防汚剤のダブル効果で、フジツボなど海洋生物の付着を防ぎます。






Q. シンナーは他社のシンナーを代用しても良いですか?

必ず専用シンナーをご使用下さい。
同系統のシンナーでも製品によっては、溶解力の弱いもの、強すぎるもの、乾燥が速すぎるものがあり、使用時及び乾燥後、塗膜に欠陥を生じる恐れがあります。


船底塗料の塗装

塗装の時期
付着生物の繁殖期の1ヶ月前に塗装するのが理想的ですが、生物の種類によっては繁殖期が異なります。
一般的にはフジツボなどの貝類が繁殖する前の5月頃と、藻類が繁殖する前の10月頃年2回がベスト
と言われております。
年1回の場合は、夏場の繁殖前の5〜6月
を推奨致します。

【用意する物】
・船底塗料 ・ローラー ・刷毛 ・トレー ・スクレーバー ・マスキングテープ
・手袋 ・サンドペーパー(#150〜#200) ・シンナー ・混ぜ棒 ・マスク
・ゴーグル ・帽子

海遊社ではメンテナンス用品を多数記載しております。

1.下地処理

船底防汚塗料の効果性能は塗料を塗装する前の素地調整・下地処理(船底表面を塗装に適した状態にすること)に大きく左右されます。


・素地調整

素地調整が不十分だと、せっかく塗った塗膜が剥がれてしまうこともあります。

塗料の塗装作業と同じかそれ以上に力を入れて頂きたいのが、素地調整です。


【塗替えの場合】
■付着物、油汚れの除去
上架した船底部の旧塗膜に付着した海中生物、汚れ等は、スクレーパーで除去し、油汚れはシンナー拭きにより除去します。
*上架後時間を空けずに実施してください。

■清水洗いで表面の塩分を除去し、乾燥させます。
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■旧塗膜の処理
素地(FRPゲルコート)が露出しているところはサンドパーパーがけします。

ルーズな塗膜(浮いたり剥がれかけたりしている塗膜)はスクレーパーで除去します。
*ディスクサンダーはゲルコートを痛める可能性があるので使用しないほうが良い。

旧塗膜が油性系の場合、塗膜を全て除去してください。
*スクレーパー、ペーパーサンダー、シンナー拭き等

新艇の場合】
■シンナー拭き
布上巣にアセトン又はウレタン系シンナーを浸し、ゲルコート表面の離型剤やワックスを除去します。(エポキシ系のシンナーで良い。)

■サンディング
ドライサンドペーパー(No.180〜240)で表面の光沢が無くなるまで丁寧に研磨します。その後、表面のダスト(粉)を除去するため、清水洗いを行ってください。



・養生

■マスキング
ハル(喫水線上)とボトム(喫水線下)の際をマスキングテープで区切ります。
*テープ幅は狭い方がラインに沿って貼りやすい。


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2.塗装

!.新艇の場合は先にプライマーを塗ります。

プライマーはこちら


船底塗料を攪拌(かくはん)

塗装を始める前に混ぜ棒や攪拌機を使い船底塗料をよくかき混ぜましょう。
攪拌が不十分だと船底塗料の効果を十分に発揮することができません。



いよいよ塗装です。
船底塗料を塗装します。
塗る面積に対して決まった量を塗ることが、船底塗料の防汚効果の寿命を長くします。

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POINT!
・塗装時には横方向と縦方向のクロス塗りをすることにより、均一に塗装できます。

・スルハル付近などは刷毛を使い厚めに塗りましょう。






※船底防汚塗料の場合は、作業に支障のない程度のシンナーを添加して塗料の伸びを良くすることで、刷毛目は若干目立たなくなります。
しかし、垂直面でのタレ、膜厚不足による防汚成績不良などの原因にもなります。
様子を見て少量ずつ加えてください

注意
船底塗料の中には金属を腐食させる成分を含んでいますので、直接プロペラに塗ると電食のような局部腐食を起こす恐れがあります合金部・プロペラには、プロペラ・ドライブ防汚塗料を使用します。

プロペラ・ドライブ用防汚塗料はこちら


1回目の塗装が終わったら、指定時間をあけて2回目の塗装を行ってください。

【時間の目安】
春、秋・・・8時間〜10時間
夏・・・4時間
冬・・・16時間

※指で触って乾いていても、乾燥時間は守り2回目の塗装をしましょう。

3.乾燥

塗装が完了したら、指定乾燥時間を空けて下架してください。
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よくある質問



Q. 塗膜が剥がれてしまった。原因は?

主な原因として、以下のことが考えられます。
 1. 塗装中、天気が悪かった。(雨天あ高湿度により被塗面が濡れていた)
 2. 上架中に清水洗いが不十分だった。(塩分による付着阻害)
 3. ツルツルのFRP面に直接塗装した。(ペーパーなどによる面粗しが必要)
 4. 塗装前の未清掃。(ほこり、油、離型剤による付着阻害)
 5. 旧塗膜との塗り重ね不適正。

       6. 厚く塗りすぎたことによるクラック発生。
 7. 異種シンナーを添加して塗装した。
 8. 塗装間隔(乾燥時間)が守られなかった。

 9. 注水までの時間が守られなかった。
 10. 異物が混入、又は添加した塗料を塗装した。(専用シンナー以外は添加しないでください)

Q. 塗膜にひび割れが発生してしまった。原因は?

主な原因として、以下のことが考えれます。
 1. 一度に厚く塗りすぎた。
 2. 過去に何回も塗り重ねて、残存塗膜が厚く残っていた。(隔離剤などで旧塗膜を除去)
 3. 塗装間隔(乾燥時間)が守られなかった。

 4. 下塗りと上塗りの塗り重ねが不適だった。
       5. 異種のシンナー、添加物等を添加して塗装した場合。(専用シンナー以外は添加しないでください)

まとめ

船底塗装はあなたの大事な船を長く、快適にお使いいただくために必ず必要なメンテナンスです。
正しい塗り方、正しい塗料選びを心がけましょう。


船底塗料以外でもヨット、ボート用品でしたら、「海遊社」をぜひご覧ください。